松岡 圭祐

小保方さんdisがひどい。不快な作品。この内容を小説にするとは著者の厚顔さが不愉快だ。

Qシリーズやαシリーズの爽やかさがない。文科省のタスクフォースという背景を採用しているが、研究不正がこうもゴロゴロしているはずがない。殺人がゴロゴロしているはずがないという名探偵コナン問題が最初から発生してしまっており、スピーディさが完全に裏目である。現実感がなさすぎて面白さはない。

インパクトの大きなヒロインはミステリーにとって諸刃の剣だ。このシリーズは読みやすくて何冊も連続してストレスなく読めるが、ストーリーが全く記憶にのこらない。もはや松岡さんは、赤川次郎か内田康夫のようなポジションの作家といえる。

本来の私の趣味志向からいくと、ヒロインのイラストではQが好みだが、作中の描写では活発・利発で爛漫なαのほうが断然に魅力的だ。
ストーリーは推理劇のI巻と対になっている。事件簿I・II巻に描かれた莉子の成長伝よりもイヤらしさが少なく、時間的な遡りや断片がないので、おおよそ自然。キャラクターの良さを伝えるにはこのほうが好都合だ。